神尾 学 プロフィール 

NPO法人 日本ホリスティック医学協会・理事、元・ホリスティックヘルスケア研究所所長

1956年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学工学部・教育学部、同大学院(体育学・健康教育学専攻)修了。

各種身体文化および健康法・代替療法の研究・指導に携わる中で、23年前(1994年)に神智学~秘教に出会い、その整合的で壮大精緻な体系に魅せられ、研究・啓蒙活動に入る。 

現在は、エソテリック・ヒーリングを中心にしたエソテリック・サイエンスを提唱し、科学・医療における新しいパラダイム創出に関して積極的な提言を行うとともに、スピリチュアル界の情報を整理・統合し健全化を促す活動に尽力している。幅広い知見を駆使しての、深淵な世界の明快な解説に定評がある。

著書に『秘教から科学へ~エネルギー・システムと進化』『人間理解の基礎としての神智学』『未来を開く教育者たち~シュタイナー・クリシュナムルティ・モンテッソーリ…』(以上、コスモス・ライブラリー)、『智のフロンティア』 『ホリスティック・リーディング(Ⅰ・Ⅱ)』(以上、ライフ137=自費出版)、

『リラの軌跡~自然音楽は世界を癒す』(でくのぼう出版)等。

「ホリスティック」これまでやってきたこと・これからやろうと思っていること

神尾学がこれまでやってきたこと・こらからやろうと思っていることを一言でまとめると、最近よく目にするになった「ホリスティック」という言葉で括れると思います。

この言葉は全体性を第一主義とするものですが、その中を神智学にちなんで、主要なものを以下のような7通りのアプローチに整理してみました。

1.ホリスティック・サイエンス(全科学と宗教・哲学および東西文化の統合、 エソテリック~秘教)

2.ホリスティック医学(エネルギー医学、ヘルスケア)

3.ホリスティック教育(未来を開く教育、成人が自己成長をめざす教育)

4.ホリスティック・リーディング(解読・読書指導、大きな全体の動きを読む)

5.ホリスティック・ライティング(アウトプット・サポート、ブログ~書籍化指導)

6.ホリスティック・ボディワーク(セラピスタイチ・運動指導、リトリート、身体教育)

7.ホリスティック・コンサルタント(個人の条件にあった人生設計・才能の開花、ワールド・シフト)

エソテリック・サイエンス・スクールは、この全体を統合して実践する場でありたいと思っています。

以上を順次ご説明する前に、今日までの神尾学の人生の大まかな流れをご紹介した方が、なぜそのような活動に至ったかがご理解いただきやすいと考えました。

「何がきっかけでそういう活動をされているのですか?」というご質問を受けることも多いため、その問いにお答えする意味も含め、少し長くなりましたがまとめました。ご興味ない場合には、スルーして、

ホリスティック・アプローチの7つのルート の方にお進みください。

今日の「エソテリック・サイエンス・スクール」構想に至ったライフ・ヒストリー

幼少時、一番好きだったのは外遊びで、近所の子供たちと野球などに興じていましたが、特別に教育熱心な家庭に育ち、小学校に入ると思うように外遊びをさせてもらえず、その次に好きだったゲームやパズルに関係して、勉強の中では算数が一番得意で好きでした。

受験して麻布中学に入り、数学と物理に魅せられ、学園紛争でほとんど授業らしい授業がなかった高校時代は一人で数学や物理学の大学のテキストを読んでいました。人の読まない難しいものに一人でチャレンジしたくなる習性は、その頃からあったというか、培ったのかもしれません。

しかし、それにはかなり無理をしていたところもあり、大学に入ってやっと家庭から解放されると、(運動系のクラブで一番早くレギュラーになれそうなことと、社会人になったらきっとやることになるだろうという理由で)ゴルフ部に入り、それがきっかけで運動に対する興味が再燃しました。

(実際には、大学を離れてからは一度もラウンドはしませんでしたが、実はゴルフからは、心身のコントロールに関することなど、多くを学んだと思っています。)

大学生活ではその一方で、受験時代に罹った眼精疲労が大学に入っても改善されず、眼科に行っても解決しなかったため、友人の勧めもあり、日本のヨガ界の草分けであった沖正弘師が開いていた静岡県三島のヨガ道場で1週間合宿体験をしました。大学2年の秋休み、20歳のときのことでしたが、ここで受けたカルチャーショックが後々、一生の転機となりました。

しかしそのときは大学に戻って3ヶ月くらいでヨガ道場のことは忘れ、3年からは工学部の応用化学系に進みました。自分から選択したわけではなく、あまり勉強しなかったため進学振分けで希望のところに行けず、希望者が少なくて残っていたところに入った形でした。

しかし、化学実験のこと細かい作業は性に合わず、研究室対抗で年中行われていたスポーツ大会の方に楽しみを見出して、学部卒業後はとりあえず大学院進学を決めていたものの、卒論を書く中でこの分野は自分には絶対に合わないと感じ(この点、後に秘教の光線理論を学んで、とても納得しました)、1年間のモラトリアムを経る中でヨガ道場での体験を思い出し、他にも東京芸大の野口三千三先生が開発された野口体操などにも(今、禅僧として活躍されている藤田一照氏に)紹介されて通い出すなどして、身体文化の奥深さを感じ、そういった分野を研究したいと思って教育学部体育学科の3年に編入=学士入学しました。

しかし、事前に調べて分かっていたことではありましたが、研究室で行われていたのは工学部と同じ自然科学系の研究が主流で、私が望んでいたような領域を学問的なレベルで研究していた人はいなかったため、同時期に大学院に入ってきた研究室の先輩に導かれながら、運動実践も含め文科系的な研究とそのアプローチ法を学びました。

結局、東京大学~大学院にはのべ14年間在籍していましたが、博士課程に籍を置いていた最後の3年間は、その先輩と一緒に作った民間の研究所の運営に携わり、最終的にはスポーツマンや武道関係者を主な対象に、意識の使い方を通した上達・能力開発法の指導を中心とする事業を行うようになっていました。

(先生・上司に途中から関係の変わっていた、その)先輩の開発した独自の理論・メソッドの体系を世に出すため、裏方でバックアップする作業を中心に休みなしに働き続けて10年余り、経営的にやっと軌道に乗り始め時間的にもほんのわずかな余裕ができたそんなときに、運命的に出会ったと思えるのがベンジャミン・クレーム著『マイトレーヤの使命』、1994年のことでした。

その巻末に載っていた「イニシエートのリスト」に衝撃を受け、その論拠を参考文献から探るうちに、「神智学~アリス・ベイリーの秘教」に辿り着き、その内容を検討するうちにこれこそが自分が伝えるべき真理であることを確信し、進路を変えることになります。

再び、折角苦しい努力を積み上げて築いてきたものを捨てる思い切った転換になったわけですが、決断に至った理由は複数あるものの、そのうちの2点を挙げますと・・・

この神智学~秘教の分野は、社会に伝えるべき緊急性のある情報を含んでいるにも関わらず、難解さも手伝って日本ではほとんど普及しておらず、それを解読して分かりやすく伝えるのは、様々な分野の科学的研究に携わってきた経験をもつ自分の出番だという使命感を感じたことと、

それまでも常に、時代の20年以上先を歩むつもりで活動してきて、自分のやっていることに一般の人が興味を示し始めると逆に興味が薄らぎ、新しいものにチャレンジしたくなる、というアマノジャクな性格が自分の中にあった、ということが挙げられます。

しかし現在は、還暦も超え、この分野以上に興味をそそるものが今のところ出てきていない状況もあり、残る生涯はこのまま秘教に捧げる覚悟をほぼ決めたところです。

『マイトレーヤの使命』に出会って以降、しばらくは運動関係の仕事を続けつつ、時間の許す範囲の中で、解読作業を続けていました。最初は、クレーム氏の著作を5点と『神智学大要』『トランス・ヒマラヤ密教入門』の2つのシリーズ、(今は両方とも分割した編集で改訂されていますのでそちらで数えると)20冊弱の本に噛り付いて、ひたすら読み続けました。

4年ほど掛けてやっと何とか全体像が見えてきて、興味深いトピック的な話題を取り出して組み立てれば、人に興味をもってもらえそうな話として伝えられるかなと思い、1997年ごろから身近にいて理解してくれそうな人たちに声がけして、連続講座を開催しました。

今に比べれば小規模なものでしたが、それでもこの分野を間違えなく、分かりやすく、また親しめるように伝えるよう準備するのは、当時の私にとっては毎回身をすり減らすほど大変でした。継続参加してもらえるように仕立てるためには十分な下書き原稿を用意しなければとても無理だと判断し、途中からですが原稿を書き始めたところ、自分で読んでも面白く感じ、書籍化できそうな手応えが出てきました。

そこから出版社に持ち込み、実際の刊行に至るまでにはまた数多の試練がありましたが、2000年夏に何とか『秘教から科学へ』と題して上梓にこぎつけ、それをもとに本格的な普及活動に入ることができました。

この作品をこの時点でまとめ上げられたことは、その後の秘教に対するアプローチの仕方にも、とても大きな意義がありました。編集を進める途上で、ただトピック的な話題を散文的に集めたものではなく、体系性・統一性をもたせるために、秘教全体を貫くテーマは何かという問題を検討した結果、秘教的な捉え方の根底には「すべてはエネルギーである」という見方があり、またあらゆるものが存在する目的は「進化」であるという前提があることに気づくことができました。

それゆえ、『秘教から科学へ』のサブタイトルを「エネルギー・システムと進化」とし、その以降の取り組みも、その観点を中心に進めていくことにしたのです。

神智学~秘教が人類に提供している情報は膨大であり、まだほとんど手つかずの状態にあると感じています。その解読の仕方も多数あり、このアプローチは無数にある中のほんの一つに過ぎないと思っていますが、しかしメインのルートであることもまた確かであり、自分にとっても適性があってチャレンジし甲斐のあるものだと感じられました。そこまでハマった感覚がなければ、一般社会ではまったく知られておらず、怪しげにさえ思われる分野に、人生を掛けて打ち込めるものではないと思います。

適性があるというのはどういうことか、これが今長々と語っているライフ・ヒストリーのポイントでもあると思いますので、もう少し具体的に述べさせていただきますと、

1つには神智学~秘教は体系的で論理構造が明確であり、特にアリス・ベイリーの情報は数式では直接的に表現されていないのですが、私が目をつけた「エネルギー・システム」の観点から徹底的に読み込んでいくと、平板で膨大な文字の中からこの宇宙を成り立たせている「宇宙方程式」とも呼べるような数学的構造が浮かび上がってきます。この解読を進めていく作業は、幼少時に好きだったゲーム・パズルを解く感覚に近く、中・高時代にあこがれていた数学・物理学の宇宙論の探究にも似た感覚だったのです。

またもう1点、サブタイトルをつけるときに発見した「進化」に関しては、その前の身体運動の研究で扱っていた「上達」という問題と相似的な関係にあり、「個人の一生内」という時間軸における設定領域を「魂の輪廻転生」あるいはそれ以上に拡大するという変換を行うだけで、応用可能ということがあったのです。

そんなわけで、秘教の解読は私に与えられた天職であり、それに出会うまでの人生は、その仕事を行うために必要な能力を身につけるための準備期間だった、とも思えるように、最近はなってきています。

『秘教から科学へ』の刊行以降、2006年まで、まずは主に神智学の段階までを普及すべく・・・

『秘教から科学へ』をさらに読むためのハンド・ブックとして『“智”のフロンティア』、

さらに神智学~秘教を自分の力で読みこなすための方法論『ホリスティック・リーディング』Ⅰ・Ⅱ、

神智学協会に関わった人たちによって生み出された新しい教育の流れをまとめた『未来を開く教育者たち』、

教育や医療に携わる人たちに知っていただきたい基礎的情報をまとめた『人間理解の基礎としての神智学』

を続けて上梓し、それに関連した解説講座を行い、天外伺朗氏のお力添えで朝日新聞に書評で取り上げられたり、船井幸雄氏の推薦を受けるなどして、社会的にもある程度の反響を得ていました。

実は、その当時から「エソテリック・サイエンス・スクール」の構想はもっていました。

アリス・ベイリー著『秘教瞑想に関する手紙』の中に、「秘教学校」設立の話があったので、そういうものを自分で創れないかと夢見て、これまで色々な角度からアプローチをしてきました。

様々な宗教や神秘主義、それに関連するものを学び、信頼できそうな各分野の専門家の先生を招いた講座を企画・運営して、ネットワークづくりをした時期もありました。

しかし、信頼できる先生といっても細部では考え方が違うところも多く、その講座を寄せ集めても整合性・統一性が取ることが難しくて、参加者の混乱を招いて肝心のメンタル体の整備ができないこと、、、それでは自分で全部をカバーできるかというと、内容的にも各分野が深すぎて、それを網羅的にマスターして咀嚼して伝えるというのは私のようなレベルの者には不可能なのです。

そんな模索をする中で、「神智学」の名のもとに一時期はかなりの人が集まっていたものの、スピリチュアル界特有のトラブルにも巻き込まれ、一旦、秘教学校設立の計画は断念せざるを得ませんでした。

そんな折、2011年に待望の『秘教治療』の翻訳が刊行され、これをテキストにすれば再度普及し盛り立てていくことができるだろうと考え、そこに集中して「エソテリック・ヒーリング年間講座」を組み立てて実施し、その目標はイメージ通りに達成できました。

そんな様子を見ていたホリスティックヘルスケア研究所の関係者からお声がけいただき、再度、秘教学校に近いものを創設できる可能性が開けてきたのを感じました。軌道に乗った「エソテリック・ヒーリング年間講座」とともに、新たに興隆してきた「情報医療」や「ソマティック心理学」という分野も取り込んだ、最先端のエネルギー医学関連情報を一カ所で学べるスクールの構想を検討し始めたのです。

しかし、実際にやってみると、秘教関連を盛り上げていくには、ある程度事務的サポートを受けても結局私自身が動かないと進まないことが多いことから、秘教のみに専念せざるを得なくなり、他の分野にもとても興味はあったのですが、日本のこういった分野の全体状況を考えたとき、自分が担当すべきは、秘教理解の最先端を切り開いていくことに特化することであり、秘教と他の分野を統合していくことに関しては、現在、秘教に好意的な理解を示してくださっている日本ホリスティック医学協会の降矢英成会長や、東北大学医学部の市江雅芳教授、ヒーリング・タッチ東京の戸田美紀さんなど、とても優れた方々が熱心に講座に参加してくださってきているので、そういった方々にお任せしよう、と思った次第です。

以上、かなり長くなってしまいましたが、今日、神尾学がアリス・ベイリーの秘教に特化した「エソテリック・サイエンス・スクール」の構想に至った経緯でした。

ホリスティック・アプローチの7つのルート

1.ホリスティック・サイエンス(全科学と宗教・哲学および東西文化の統合、エソテリック~秘教)

上に記したような自分自身の成育歴から学問的遍歴を辿ったとき、興味深いことに気づきました。

子供の頃は算数・数学が好きで、中高時代は物理学の描く宇宙に興味をもち、大学では意図せず化学を専攻したものの、自分に合わず好きな身体運動を研究しようと体育学に移ると、生命科学から教育・心理をはじめとする人文科学系のアプローチ法を習得するために、弁証法・構造主義・現象学なども学びました。

そういった学問的基礎は神智学~秘教を探究・解明する上で非常に役立ったのですが、社会科学に関してはまったく無知な状態でした。しかしたまたま良いご縁をいただいて、そういった分野の学びや実践の場にも立ち会うことができました。以上、私が接してきた科学領域の流れを順番に書き出してみると、

  数学 ⇒ 物理 ⇒ 化学 ⇒ 生命 ⇒ 人文 ⇒ 社会 ⇒

となり、期せずして論理的で限られた要素を扱うシンプルな自然科学の分野から、次第に統合性の高い生命・人文・社会科学の分野に移ってきたことが分かります。専門的に見た場合、どれも浅いレベルではありますが、一つずつ学んでは自分なりに消化し卒業をしてきたような気がしました。

そして今は、占星学などにも関り、秘教的な壮大な多次元エネルギー宇宙モデルにしたがって、すべてを統合整理し逆に抽象化して、子供のときの出発点である宇宙の数学的構造の解明にさかのぼってきているように感じています。

秘教のエネルギー概念を援用して、エソテリック・サイエンスの構築を目指すことは、これまでのページで述べてきた通りで、それによって究極のホリスティック・サイエンスが可能になると考えていますが、それはまた、宗教・哲学・科学、東洋の叡智と西洋近代科学という、人類の優れた遺産の統合の役割を果たすものだとも考えています。

以上をお読みになり「何の基礎知識ももっていない分野があるのに、秘教なんて理解できるの?」と不安になられた方がいるかもしれません。ご安心ください。「エソテリック・サイエンス・スクール」のページの、特に個人の特性にあった受講への手引きを読んでいただいて、適切な順番で受講いただければステップ・バイ・ステップで理解が進み、逆に気がついてみるとあらゆる分野に興味がもてるようになって、それまで難解で手を出す気にもならなかった本が、スラスラと読める、ということが出てくると思います。

2.ホリスティック医学(エネルギー医学、ヘルスケア)

現在、神尾学は日本ホリスティック医学協会の理事を務めさせていただいており、同協会・関東フォーラム内のスピリチュアル&エネルギー・ケア・ネットワーク(略称:スピエネット)では良き仲間に恵まれ、協力してこの分野の日本の最先端シーンを創出していく、とても重要な活動になってきていると思います。

振り返って、ホリスティックな医療に接した原点は20歳、1976年に訪れた沖正弘氏のヨガ道場体験だったと言えます。1981年にはその道場に3ヶ月間ボランティアで滞在していましたが、そこでは心身の健康に関するあらゆる角度からの取り組みがなされており、今現在の水準でも高く評価できるところのあるホリスティック医療の実践の場だったと言えると思います。

そのような原体験があり、それに衝撃を受けた結果として人生の進路を変えたこともあって、それ以降の人間観・医療観・世界観は、必然的にホリスティック以外のものではあり得なくなっていました。

この分野に関しては「エソテリック・ヒーリング」のページ等でも詳細に語っておりますので、そちらをお読みください。

現在、エソテリック・ヒーリングの講座には、リーダー的な立場の医師・治療師・看護師・介護士・ヒーラー・セラピスト・ヒーリングアーティスト・医療測定器および食事関係の方々などが多数ご参加されているので、こちらでも共通理解と共通の目的をもった方々のネットワークをつくり、エネルギー医学体系の整備や予防医学~ヘルスケアの発展に、貢献していきたいと思っています。

3.ホリスティック教育(未来を開く教育、成人が自己成長をめざす教育)

自分自身の成育歴に問題を感じていたこともあり、教育にはとても関心を抱いてきました。

20年近く前、日本ホリスティック医学協会とほぼ同時期に日本ホリスティック教育協会に加盟し、最初の頃はむしろ教育協会の方で活動し、そこで出会った先生方にご協力いただいて、『未来を開く教育者たち』を編著で出版しました(2005年)。

これは、教育協会で出会う以前から伝導瞑想を通してお付合いのあった(元・)国士舘大学教授の岩間浩先生が、新教育運動の研究をされている中で、あのユネスコが神智学協会の教育部門の力添えで創設されたものであることを歴史的に検証された論文を拝見し、それだけ重要な事実がまったく知られていないことに問題を感じ、教育協会でご一緒していた他の2人の大学の先生方(青山学院大学・今井重孝教授、大妻女子大学・金田卓也教授)にもご協力いただいて、神智学の流れを汲んで革新的な教育理論・実践を展開しているものを、「シュタイナー・クリシュナムルティ・モンテッソーリ…」というサブタイトルでまとめようと企画し、出版にこぎつけたものです。私自身は、アリス・ベイリーの教育論を紹介しております。

学校教育の在り方にも関心はありますが、それ以上に高度な創造性を発揮する高等教育や、一般の成人の方が活き活きと自己成長・自己実現をめざすための教育に携わりたいと思っており、「エソテリック・サイエンス・スクール」自体がそれを実現するための強力な舞台になり得ると考えています。

そこである程度の成果が上がるうちに、まずは民間企業が目をつけるでしょうし、(今は完全に無視している)文部科学省~大学でも秘教を無視することはできなくなり、10年後には今は形骸化してしまった一般教養を立て直す柱として取り入れる私立大学が出てくるでしょうし、30年から遅くとも50年後には高等学校の必須科目として、あらゆる高校生が秘教を人間~宇宙の本質を伝えるものとして学ぶ時代が来ると思っています。実は、今準備している「エソテリック・サイエンス・スクール」のカリキュラムは、その日のための準備でもあることを、明確に意識してつくってもいるのです。

4.ホリスティック・リーディング(解読・読書指導、大きな全体の動きを読む)

この1年で講座の頻度が急激に増え、月のうちの半分くらいの日は講師を務めるようになっています。

その中には、『トランス・ヒマラヤ密教入門』のように参加者とテキストを読み合わせる講座もあり、その様子を外から眺めれば、さしずめ国語教師のようにも見られると思います。

今はそんな仕事になっていますが、高校までは純粋理系タイプで、数学・物理は得意だったけれど、国語は大の苦手で嫌いでした。そんな私が今のようなスタイルで仕事をしているのも考えてみると不思議ですが、アリス・ベイリーの文章は私にとって数学の問題を解く感覚に近く、非常に曖昧な表現がなされているところでもきちんと解釈できたときには「それで正解!」と言える答えが導けることが多いのです。

難解として知られる神智学やアリス・ベイリーの作品を、私がかなり解読できるようになった理由は幾つかありますが、そのうちの一つは、自分で開発し「ホリスティック・リーディング」という読書法にあり、私のエソテリック講座はそのホリスティック・リーディングによって得た直観を含む解読結果の発表の場であり、また実践・普及講座ともなっています。

具体的方法の骨子は、『ホリスティック・リーディング』Ⅰ・Ⅱという薄手のテキストにまとめておりますが、秘教に限らず難解な分野を征服するためのとても強力な方法だと確信しています。

以前作ったブログやサイトには「ホリスティック・リーディング」というタイトルをつけてきましたが、これは、自分がこれまでやってきた仕事の中で、この概念が一番オリジナリティーがあると自分自身で感じているところがあるからです。

また、ブログタイトルには、世界全体で起きている流れを読み解く、という意味合いも込めています。

5.ホリスティック・ライティング(アウトプット・サポート、ブログ~書籍化指導)

昔から「読み」と「書き」はワンセットで考えられていました。インプットだけどんなに打ち込んでも限界があり、アウトプットを並行してやることにより、両者の相乗効果で成長が加速します。

そんなわけで、「ホリスティック・リーディング」とともに「ホリスティック・ライティング」を、自分でも実践し、奨励してきています。これは、『ホリスティック・リーディング』Ⅱの方で紹介しています。

私自身、学生時代は読むこともですが、書くこと・話すことも含め、アウトプットすることの方が一層苦手だった気がします。しかし、何事もトレーニングを積めば上達するもので、今ではどんな文章でも(構想ができた上で)書き始めるとほとんど止まらずに書き上げられる感じになってきましたし、自分の専門範囲に関しては講座の準備時間もかなり短縮でき、時間のないときにはぶっつけ本番でもきちんと筋道だった話ができるようになってきました。そんな自分の成長経験を活かし、(特に秘教関連の情報を伝えていきたいという方には)アウトプットの仕方を指導させていただくことがあります。

よく言われるように、ホリスティックの語源の1つに「Holly=聖なる」があり、そのため「ホリスティック・ライティング」は「ホワイト・マジック」とも意味的に近似していると考えられます。

人類・地球を進化させていくためには、聖なるアイディアをしっかりと地上にまで引き下ろし、根づかせることが必要です。途中まではできても、最後のもうひと踏ん張りができず形にすることが苦手、という方は結構いるので、その方々をサポートすることは社会的にとても意義あることだと思っています。

特にその1つとして、ブログの書籍化システムを考えています。時間とエネルギーを掛けて書いたものがそのまま流れて消えていくのは個人としても社会としてももったいないので、最初から計画的に書き進めることにより、ほぼそのまま整理された書籍として発表できるようにし、その成果を蓄積することにより、社会全体の知の進化を促進するシステムを考えており、協力者が出れば強力に推進したいと思っています。

6.ホリスティック・ボディワーク(セラピスタイチ・運動指導、リトリート、身体教育)

20年前までの20年間、専門として研究・指導してきた分野ですが、2000年に『秘教から科学へ』を上梓して以降、神智学の普及に本腰を入れるために一時期完全に封印しておりました。

1つには、神智学~秘教の中に、「霊的な道を進むためには、肉体にあまり重点をおいてはいけない」という教えがあったからです。その言葉が気になり肉体に対する配慮を怠った結果として、体調が良くなくなり結果として仕事の効率も落ちてきたという失敗を経て、何事もホリスティックなバランスが大切であることを改めて痛感し、8年前から太極拳を学び始め、フィットネス・クラブに通った時期もありました。

一旦離れてから再開すると新鮮で、秘教を学んだことにより新たな視点も付け加えることができました。

ホリスティックヘルスケア研究所との関りから、セラピストの方々と交流する機会が増えたので、太極拳の動きの本質的構造を活用してセラピストがそのまま使える技をごく簡単に編集した「セラピスタイチ」と名づけたワークを開発し、指導しておりました。エソテリック・ヒーリングの正しい理解と組み合わせると、具体的スキルを最小限身につけただけで、かなり高い癒し効果を出せるように感じています。

リトリートなどの機会では特に、秘教だけですと脳疲労ですぐに限界がきてしまうので、ボディワークとセットにしたプログラムを提供しています。

秘教を学び、身体=ボディが肉体のみでなくエーテル・アストラル・メンタルから魂の体=コーザル・ボディまで含んでいることを知りました。その観点からボディワーク概念を拡張し、ホリスティックな視点からそれぞれの身体のバランスをとりつつ調整・進化させる教育にまで発展できれば、と思っています。

7.ホリスティック・コンサルタント(個人の条件にあった人生設計・才能の開花、ワールド・シフト)

かなり特異な人生遍歴を通して学んだこと・経験したことを、(特に、秘教に熱心に取り組むことにより)社会的に有意義な新しいチャレンジをしたいという、真摯な努力をされる方々のご相談に乗っています。

今回、個人的ライフ・ヒストリーを開示させていただきましたが、各人各様のもって生まれた条件・経験を最大限活用して、その方の今後の人生を最も実りあるものにするお手伝いができればと願っています。

個人の一生レベルでの能力開発・目標達成は、身体運動の研究時にもやっておりましたが、その後、秘教を学んで、個人においては輪廻転生における霊的進化のプロセスと今回の人生でのエネルギー的特性(光線構造・占星学的観点)を加味し、また人類・地球の大きな転換点にある中、個人の人生はそれを包み込む全体の流れに大きく左右されるため、大宇宙と小宇宙の相互作用という視点も加えて、この貴重な時期を少しでも有意義なものとして過ごすためのヒントを、条件の許すときは一緒に考えお伝えしています。

私自身は、自分の成す一つひとつの行為(例えばフェイス・ブックのシェアといった些細な行為でも、それ)が、自分の人生だけでなく、関係する他の人の人生や、(世界というのは言い過ぎですが)日本社会の歴史的発展にどのような影響を及ぼすかを常に考えながら行動選択しているつもりですし、同様の視点をもって人生を送り、人類社会のためにグループワークで奉仕できる方が増えてきてほしいと思っています。

社会(学)的な分野での活動実績としては、2007~2012年頃まで、千葉大学法経学部教授の小林正弥氏が主宰していたフィロソフィアという勉強会に参加し、最後の2年間は司会役を務めていました。

小林氏の名前は参加し始めた最初の時点では世間に知られていませんでしたが、「ハーバード白熱教室」で大ブレークしたマイケル・サンデルと政治哲学において同じ学派に属していたこともあり、NHKのテレビ解説などでも頻繁に登場するようになって多忙を極められ、その勉強会は解散することになりました。

それと重なる2009~2012年には、アーヴィン・ラズロ氏が提唱した「ワールド・シフト」のムーヴメントが日本でも盛り上がりを見せてきて、それが自分で構想していた路線と一致していたため、参画して同志と一緒に盛り上げていこうと思い、300~500人規模のイヴェント・講演会を数回企画・主催しました。

畑違いの分野で大きな成果が上がったとは言えませんが、実際にそういった分野で活動した経験や感覚は、秘教理解をはじめ、その後の活動を広い視野から俯瞰・検討する上で有効活用できていると感じています。

最後に・・・自分や地球の未来を予想し創造していく際の、直観の導き方(ホリスティック・リーディング&ライテイング)も、エソテリック・サイエンス・スクールの主要カリキュラムの1つになっています。