エソテリック・ヒーリングは、アリス・ベイリーの『秘教治療』(“Esoteric Healing”)で紹介されている人類が目指すべき究極的なヒーリングであり、さらには新時代の医学・医療の根本哲学を示すものでも、欧米では発行以来、非常に高い評価を受けてきました(*)が、近年日本でも注目度が増しています。

(*:以下に、現在把握できている具体例を挙げますが、この50年間で目覚ましい活躍をしている欧米のヒーラー・医療関係者で影響を受けていない人は皆無と言ってよいと思います。

ロベルト・アサジオリ:精神科医 サイコシンセシス創始者 

エドワード・バッチ:医師 細菌学者 フラワーレメディ創始者

ロバート・フルフォード:医師  オステオパス 『いのちの輝き』著者 

リチャード・ガーバー:医学博士 『バイブレーショナル・メディスン』著者

ジャネット・メンゲン:看護師 ヒーリングタッチ創始者

クリスティン・ペイジ:医師 ヒーラー 

フィンドフォーン:スピリチュアルを重視するコミュニティー

エサレン研究所:ヒューマンポテンシャルムーブメント、エサレンボディワークを開発

NES関係者:画期的な情報医療測定器を開発・普及   

・・・等々

例えば、毎年来日し、日本でも人気の高いクリスティン・ペイジ女史は、世界中でベストセラーになった『チャクラ――癒しへの道』の「はじめに」で(P17)、 

「…そしてアリス・ベイリーの著書と出会い、そこに書かれていた智慧の数々に夢中になり、 ワークショップに参加し、講義を聴きに行きました。 そしてそこで耳にした言葉の多くに深く胸を打たれ、私は地球における人生の目的について理解を深めるようになりました。」

と述懐しています。ペイジ女史は人気が出ても、残念なことに、彼女を現在の実力に導いた根幹となるそんなエピソードも、これまでのところ日本では、あまり知られてきませんでした。)

神尾は、2011年に日本で翻訳が刊行されてすぐに年間講座を始め、すでに7期(各回2~3クラスを並行実施)を終えるところで、講座内容も毎回改善がなされ、エソテリック・サイエンス・スクールの中でも一番の柱となるプログラムです。

全体の位置づけに関しては、

「万物の理論」に値する可能性のあるアリス・ベイリーの著作シリーズ

5つの年間講座の詳細なご案内

これまでのプログラム開発の経緯と今後の展望

等を、ご参照ください。

(また、YouTube「秘教チャンネル」でエソテリック・ヒーリングシリーズを公開していますので、そちらも併せてご覧ください。HP内のエソテリック・ヒーリングシリーズ一覧のご案内はこちら。)

ということで、すでにある程度のご紹介はしておりますが、『秘教治療』およびこの講座に関しては、このページでもう少し本格的なご紹介をさせていただきたいと思います。

『秘教治療』は、アリス・ベイリーの著作全体の「結論」部分とも言える、新しい時代のエネルギー・パラダイムを確立する「7つの光線に関する論文集」=『秘教心理学』第一巻・第二巻、『秘教占星学』『秘教治療』『光線とイニシエーション』の中の1冊です。

(翻訳では、『秘教心理学』第一巻以外は上・下巻に分かれているため、全部で9冊、総ページ数は4千頁を超える、一つながりの論文です。)

したがって、『秘教治療』はアリス・ベイリーの段階の啓示の、最後の最後の作品を締めくくるものといえます(本当の最後に当たる『光線とイニシエーション』は、次の段階の啓示へとつながる、予告編的エピローグと言えるものだと思います)。

実際に、そこで扱われているのは、人間=小宇宙の中のエネルギー・システムであって、それはその直前の作品である『秘教占星学』で扱われている大宇宙のエネルギー・システムから引き継がれるものです。

また『秘教心理学』(第二巻)に描かれた小宇宙内の魂・パーソナリティーの見えない器を経由して、肉体までどのようにしてエネルギーが伝わるかを、病気とその治療という実践的な問題と絡めながら語った作品でもあります。

「エソテリック・ヒーリング」年間講座の概要

『秘教治療』~“Esoteric Healing”は、先に述べたように、欧米のヒーラーやホリスティック医学、サトル・エネルギー関係者からは、とても高く評価されており、基本テキストにあげている団体も多いと聞いています。

その流れを汲んで、日本でも以前はフルフォード氏の後継者にあたるカリスマ的なオステオパスが指導していたようですし、最近では英国から長年研究を積まれたヒーリング指導者が来られて、集中的なワークショップが行われていますが、いずれも実技中心のようです。

しかし、真の 「エソテリック・ヒーリング」を実践するには、非常に高い霊的進化段階が要求されることとともに、理論的な深い理解が必須不可欠であることが『秘教治療』の中でも再三、強調されています。

当講座では、難解なことでも知られるこの作品を、アリス・ベイリーの他の作品やそれに先立つ神智学の基本的情報・様々な霊的伝統からの知識で補い、医療・健康分野の最先端の動きまで参照しつつ、オリジナル資料テキストを用意して、可能な限り分かりやすく解読してまいります。

テキストの中立的・忠実な解読を目指すもので、実践的なワークショップに対しては補完的な位置づけになると思いますし、また、他のメソッドを習得されている方の場合には具体的テクニックはそのままでも、理解を深めることによって扱えるエネルギーの質が格段にレベル・アップし、ヒーリング効果が高まるようです。(実際に、私の講座を1回受けただけで、本質的な理解が深まり、効果がまったく変わってきたという報告を、これまで何件も受けています。)

ヒーリングに関わられていない方にとっても見えない世界を理解するための基本となるスタンダードな情報が一通り学べ、様々なところで実生活や意識に変化が起きてくることが期待できると思います。

まったくの秘教初心者の方でも参加可能です。過去5年間の開催では、医療のみならず幅広い分野からリーダー的存在・実力者にご参加いただき、年々盛り上がりを見せ、多様な交流も生まれています。

新しい時代の到来が、間近に迫っているのを、肌で感じていただければと思います。

(お伝えしたい情報が多く、いつも時間をかなりオーバーしてしまうため、この4月からは、講座時間を1時間長くとりました。できるだけ早く終わらせ、最後30分は質問時間にしたいと思っています。)

12回のテーマは、4回ずつ入門・初級・中級に分けております。

入門編ではまず、エソテリック・ヒーリングの全体像と、一番重要な核となる部分の概要をお伝えします。

最後の中級編では、そのさらに一段高いレベルの理解を目指しますが、そこに進む前に、ヒーリングとは直接的な関係は薄いものの基礎的な理解として必要な部分を補わないといけないため、そこの部分を初級編として学びます。入門~初級編までの8回は、いつからでも、どなたでも単発受講可能です。

中級編になるとそれまでの情報を次々に統合していくことになりますので、途中からの単発受講はあまりお勧めできません。この講座に関しては毎年、繰り返して実施していく予定で、その頃には次期の開始準備となる紹介講座を始めておりますので、そちらを受講していただいて、次の開講までの準備に当てていただければと思います。(この講座に関しては、受けそびれた場合、翌年の振り替え受講が可能です。)

年間12回の各回テーマは、次の通りです。

 (入門) 1.アリス・ベイリーと秘教治療の全体像

     2.エーテル体と、その2つの様相

     3.チャクラpart.1 ~ チャクラの3つの様相

     4.輪廻転生と死を考える

(初級)5.アストラル体、病気の最重要原因

     6.メンタル体とパーソナリティー(の統合)

     7.魂とその進化のメカニズム

     8.カルマ ~ 個人・種族・国家・人類……

(中級)9.チャクラpart.2  ~  脊柱上のチャクラ各論

    10.魂とそのメカニズム ~ 肉体までのエネルギー・ルート

    11.自然界の法則を超えた魂レベルの「法則」と「規定」

    12.7種光線理論 と 『秘教治療』総まとめ

「エソテリック・ヒーリング」年間講座の各テーマの紹介

~ 入門編 ~

【1. アリス・ベイリーと秘教治療の全体像】

この内容に関しては、「神智学~アリス・ベイリーの秘教とは」のページにかなり詳しく紹介しましたので、そちらをご参照ください。

前半はそれに加えて、神智学に焦点を当て、秘教的観点から見たときの神智学が人類の歴史に果たしてきた役割りやその歴史的展開、神智学の特徴をお伝えします。

後半は、アリス・ベイリーに焦点を当てます。彼女の作品は全体として1巻の(1万ページを超える大部の)書物のようにつながっていて、エソテリック・ヒーリングについて学ぼうと思っても『秘教治療』だけを読んだのでは理解しきれない部分が多いため、まずは彼女の生涯を通してそのような作品が残された経緯とその業績および『秘教治療』という作品の全体像をお伝えするところから、スタートいたします。

【2. エーテル体と、その2つの様相】

人間には、肉体以外にたくさんの見えない身体があることが、古来の伝統の中で様々に語られてきましたし、最近も益々色々なところで語られています。その中で最もポピュラーになっているのが、「エーテル体」「アストラル体」「メンタル体」「魂」といった言葉で表わされている体系ですが、これらは元々、神智学で使われていた言葉でした。

その中で「エーテル体」は肉体の最も近くに位置する身体で、肉体にエネルギーを伝え、肉体の鋳型ともなっていて、病気の原因およびその治療の直接の対象となるものです。よく知られている、チャクラ、中国医学のツボなども、この身体に属するものであり、オーラは同じ波動領域に属するものです。

このエーテル体およびそれが存在するエーテル領域の構造に関しては、情報は多いもののこれまで未整理で混沌としていましたが、(神尾自身が)最近になってやっと詳細を明確に捉えられるようになってきました。この明確な理解があるのとないのとでは、実践および進歩において大きな差が出てくると思います。

特に、エーテル体には従来知られてきた側面の他に、一般には知られていない高度な霊的エネルギーを伝える別の様相があり、この相を開発することによって、エソテリック・ヒーリングが可能になります。こういった情報を学ぶことにより、多くの方々にとって、驚くべき新たな可能性が開かれていくと思います。 

【3. チャクラpart.1 ~チャクラの3つの様相】

エーテル体の中に存在する最も重要な器官が、チャクラ(=エネルギー・センター、あるいはフォース・センター)です。チャクラは元々ヨーガをはじめとするインド文化の伝統の中で伝えられてきたものですが、近年になって欧米のヒーリングでも活用~重視され、話題になることが多くなりました。

しかし両者の体系を調べてみると、同じ番号のチャクラであっても違った内容が語られていて、(意識されているか否かを問わず)情報的な混乱をきたしています。

しかし、両者ともに伝統および実績があり、どちらかが根本的に間違いである、というわけではなく、チャクラにはアリス・ベイリーによって初めて本格的に開示されたものも含めると3段階の異なる様相がある、ということが『秘教治療』に語られているのです。

それを頼りに様々なチャクラ情報を比較検討してみると、それぞれの特徴が見えてきて矛盾なく整理でき、またエーテル体やエーテル領域の理解も一層深まってくることが確認できました。

それらの中でアリス・ベイリーによって伝えられたチャクラ情報の、特異性と重要性を検証していきます。見えない世界の奥深さと、古来からの叡智に驚嘆させられるテーマでもあります。

【4. 輪廻転生と死を考える】

エソテリック・ヒーリングの真価は、具体的テクニックというより意識を高く引き上げていく瞑想の能力にあるとも言えます。その能力には個人差が非常にあり、ヒーラーやセラピストとしての経験を問わず、人によってはすぐにある程度の感覚をつかめる人もいれば、なかなか掴みどころが分からずに時間が経過してしまう人がいることは事実です。

では、誰にでもすぐに取り組めるエソテリック・ヒーリングの活用法はないのか? と問われたとき、それに対する回答としては、「今現在において最も実践的な活用法は、“死”に直面する重篤な状態の人に対する対処の場面」だと語られています。

(実際にこれまでアンケートをとってきた結果、「12回の講座中最も衝撃を受け、印象深く残っているのがこのテーマ」という方が、多数いらっしゃいました。)

ほとんどの人は死を無意識に恐怖しますが、最終的に死を免れることができる人間はいません。そして近代以降の唯物論的な思想の普及により、死によって一切が消えて無くなってしまう、という観念ができあがってしまったことが、死に対する恐怖心をますます強めることになってしまいました。

近年、スピリチュアルな情報の普及とともに、輪廻転生を認める人たちが急増していますが、まだその情報に関しては多くの混乱があるようです。

『秘教治療』は、ヒーリングの本でありながら、死に対して200頁以上が割かれており、そこに詳細に描かれている内容は、人生を一変させるほどの衝撃があります。この「死に対する正しい理解」が、現在の行き詰まった医療の世界を変えていく一つのきっかけになるように感じます。

~ 初級編 ~

【5. アストラル体、病気の最重要原因】 

ここから初級編が始まり、理解を一段と深めるための基礎となる知識を補っていきます。

現在の人類における病気の第一の原因は、(個人に注目して見た場合)感情的ストレスにあると言われます。大半の生活習慣病は、問題のある生活習慣の原因を辿っていくと、職場や家庭におけるトラブルや人間関係、あるいは将来に対する不安などの感情的ストレスが源となっています。

そういう意味で、大半の病気がこの感情の体であるアストラル体を起点とする心身症であるという見方が、一般的な医療に携わられている方の間でも広がってきています。

鬱をはじめとする心の病の原因も、同じくここにあることは、言うまでもないでしょう。

一方で、それらの治療・ヒーリング実践を考えた場合、原因となる感情的ストレスを取り除くことだけでなく、癒しの本質である愛のエネルギーを送ることが、最も重要なポイントになってきます。

人類のメンタル体が発展途上である今日、大半の人にとって、様々なエネルギー的身体の中でこのアストラル体が最も強力なエネルギー的要因とされています。

したがって、ヒーリングや医療において、感覚・感情の器であり愛の源である魂の反映ともなるアストラル体の性質を十分に理解することが、とても重要なテーマとなってくるのです。

【6. メンタル体とマインドの3つの様相、瞑想について】 

エネルギーの体であるエーテル体、感情の体であるアストラル体の次に来るのが、知性の体であるメンタル体です。この体は、現在の人類ではまだ十分に発達しておらず、病気の直接の原因にはほとんどなっていない、とされています。

しかし一方で、メンタル体は病気の治療においては重要な働きをします。

まずは、通常の診断から治療方法の決定に際して、通常の知性~思考能力を働かせて、最適な判断を下す必要があります。

それに加えて、エネルギー的なヒーリングを行うためには、このメンタル体のレベルでの意識の集中により、エネルギーを流すルートを作ることが必要です。

さらに、ヒーリングを真にエソテリックなレベルで行うためには、「パーソナリティーを魂につなげる」ことが大きな課題であることは知られていますが、その仲介役となるのが実はこのメンタル体であり、したがって、まずはメンタル体を育てないことには、魂との安定した接触は不可能なのです。では、そのために何をしたら良いか? というと、それが「瞑想」ということになってきます。

そのメカニズムをごく簡単に説明しますと、人間はメンタル界層において、(パーソナリティー=低位我に属する)このメンタル体の他に、魂、そして(霊的トリアッドに属する)高位マインドという3つの様相をもっていると、秘教では言われています。

メンタル体を発達させ瞑想を深めることによって、まずは魂と、次には高位マインドの間に橋を架けることによって、真の霊的エネルギーが魂を経由して肉体まで流入することが可能になります。このようにしてメンタル界層の諸要素の間に橋を架けることが、これからの人類にとって最も重要な課題とも言われています。

【7.魂とその進化のメカニズム】 

今日、スピリチュアルの世界では、魂のことがよく語られていますが、では、魂とは一体何なのでしょうか? ヨーガをはじめとするインド哲学、伝統的仏教の正統なもの以外、秘教で言っている魂のような高い意識レベルのものを正しく記述しているものは、率直に言うと、ほとんどないと言って良い状態です。

多くの新しいメソッドの中では「魂とつながって・・・」と安易に語られたりしていますが、実際に真に魂とつながることは、多くの人にとって全身全霊を込めた集中が必要です。

これまでにも述べたように、エソテリック・ヒーリングは高度な霊的エネルギーを流すことによって治癒を図るものですが、それには魂とのしっかりとしたつながりをつけることが大前提となり、そのため「ヒーリングの際には絶対にしゃべってはいけない」とされています。

ほんのちょっとしたことで意識の集中が乱され、魂との接触が途絶えてしまうからです。

そのような修行にも似た研ぎ澄まされた意識状態を繰り返し経験することによって、ヒーラー~医療関係者はクライアントとともに徐々に魂と楽につながれるようになっていきます。それはとりもなおさず、それらの人たちがヒーリングを契機に霊的に成長したということでもあり、それこそがエソテリック・ヒーリングの真の狙いでもあります。

そんなわけで、『秘教治療』というテキストは霊的な進化が裏のテーマとして存在するため、(そこには書かれていないものの)魂の進化のメカニズムに関する基礎知識がないと明確に理解できない部分が大半なのです。ヒーリングなどを学び魂に少しでも近づきたい、という気持ちを既におもちの方は多いと思いますので、この回では「魂(へ)の進化の道のり」を、様々な角度から学んでまいります。

【8. カルマ ~ 個人・種族・国家・人類……】

個人の現在の生涯、という範囲で病気の原因を考えると、現在の人類の状態では先ほど述べたように、感情的なストレスによりアストラル体が変調をきたして、それがエーテル体、さらには肉体に伝わって病気になる、というパターンが大半と言えます。

ではさらに、そのアストラル体が変調をきたす源の原因は何かと考えると、この人生の範囲内でその人が行ってきたことに見いだせる場合もありますが、個人の領域を超えて、家族であるとか会社であるとか、さらには国の政策であるとか、人類や地球環境全体の問題から波及している要素も多く、個人の問題を超えてそれらを改善しないと解決が難しい場合もかなりあると思います。

そこにも主要な原因が見当たらない、という場合には、よく言われるように、個人や家族・民族などの過去にさかのぼって、いわゆるカルマ的な原因を検討しなければならない場合も実際に多いと思われます。

ここまでは、ホリスティックな観点からの病因論として語られることがあると思いますが、ここから先、さらに究極まで根源にさかのぼっていくのが秘教の真骨頂とも言うべきところです。

実際、驚くべきところに病気の究極的な原因が見いだされ、それがエソテリック・ヒーリングの究極的な目的ともつながってくるのですが、それに関しては講座の中でのお楽しみ、ということにいたしましょう。

~ 中級編 ~

【9.チャクラpart2 ~ 脊柱上のチャクラ各論】 

ここからは締めくくりの中級編となり、これまで個々のテーマで学んできたことを統合していきます。

正しいチャクラ理解は、エソテリック・ヒーリングの成否の鍵を握っていると言えます。

[入門編]【3.チャクラpart.1】では、現在出回っているチャクラ情報の中で、アリス・ベイリー~エソテリック・ヒーリングで語られているチャクラがどこに位置するのかをお話してきました。

それは、インドで本格的な修行によって解脱を目指すヨーギたちが伝統的に「脊柱上に位置する」と言って用いてきたレベルのものなのですが、これまでそのレベルのチャクラについては長年の修行によって許可を得た弟子にだけ個人的に教えられ、公表することは許されて来なかったはずなのです。それは、このレベルのチャクラの情報は、準備の出来ていない人が間違って使用した場合に危険性が高いためです。

その、今まで非公開であった情報が、アリス・ベイリーの著作、中でもこの『秘教治療』ではじめてある程度のボリュームで語られている、と考えられます。それは、ここに来て人類が急速に霊的に目覚めつつあり、多くの人たちがこのレベルの情報を必要とする段階に近づいてきたためなのです。

しかし、公開して誰にでも簡単に分かるようにして良い情報でないことは変わりなく、そのため容易には読み解けないような表現になっており、極めて慎重に扱われています。

実際、この7つのチャクラに関する個別の情報は、この難解なテキストの中でも最も解読が困難な部分ですが、神尾学が理解し得て語るのが許されるであろう範囲内において、お伝えしたいと思います。

【10.魂とそのメカニズム ~ 肉体までのエネルギー・ルート】

至高のヒーリングを行うには、魂とのつながりをつけてそのエネルギーをチャクラから導入すればよい、その結果として(カルマ的に治る可能性のある)病気は自ずと癒える、という話は何となく分かったとして、それがどのようなメカニズムなのか?・・・考えてみると、とても不思議です。

これをきちんと理解するためには、前回の「チャクラPart2」の情報を受けて、魂からメンタル体・アストラル体を経由してエーテル体のチャクラに届いたエネルギーがエーテル体のネットワークで分配されて、肉体まで届けられるその全体像を、把握しなければなりません。

その際、エーテル体~ナディー(脈管)、神経系、内分泌系、そして血液が、全身へのエネルギー分配に関与すると言われます。

肉体は、7つのチャクラによって統御される7つの領域に分けられるため、ある肉体部位に起こった問題は、それを統御するチャクラのエネルギー・バランスをとることによって、上記の諸要素の媒介を経て改善されていきます。この全体系は、今日の物質・肉体レベルのみを視野に入れ細分化された西洋医療・医学に変わる、精緻でありながらも原理的には極めてシンプルな新時代の医学・医療の原理を提供するものになっていると思われます。

次世代のアカデミックな探究とも直結していくであろう、医療的なメカニズムにおける最重要部分の概要を調べていきます。

【11.自然界の法則を超えた魂レベルの「法則」と「規定」】

エソテリック・ヒーリングには、それを成り立たせる基盤となる「10の法則」と、実際に活用する際のエッセンスともいえる「6つの規定」があります。

「法則」というと、例えば「ニュートンの運動法則」のような、どんなときにでも常に絶対的に作用するものにこそ相応しく、ヒーリングのような現象で使うのは、大げさだと感じられるかもしれませんが、、、実はまったく大げさではないのです。

「自然科学の法則」が絶対普遍のものであると感じるのは、私たちの意識が未だパーソナリティーに留まっているからであり、魂とつながれるようになった人は、インドの聖者や、『ヨーガ・スートラ』第三章で描かれている“シッディ”と言われるような超能力が、この「魂のレベルの法則」のもと、本当に芽生えてくると考えられます。それゆえ、真に魂とつながったエソテリック・ヒーリングは、それらと同じような奇跡的な癒しが、法則のもと、当然のように起きてくる、ということになるわけです。

『秘教治療』のテキストのこの部分は、格別に濃密で格調高い文章になっており、感動の連続なのですが、残念ながら時間の関係で一つひとつ取り上げる余裕がないため、個別の「法則」に関しては、いずれ「上級編」として別コースで取り上げたいと思っており、ここでは「法則」とは何か、という原理的な話――これまた感動的なのですが――に留め、実践的なエッセンスとなる「規定」に関しては一つずつ取り上げて、エソテリック・ヒーリングの具体的実践方法の最重要ポイントを学びます。

【12.7種光線理論と『秘教治療』総まとめ】

アリス・ベイリー作品の中での『秘教治療』の位置づけは、全体を締めくくる「7種光線に関する論文」シリーズの中の一冊です。

この「7種光線」とは、私たちの太陽系宇宙内のすべての存在をかたちづくり、すべての現象を生起させるエネルギーの源である、と語られています。

エソテリック・ヒーリングにおいて、魂を通して流入し、ときに奇跡的な癒しも可能にする(通常のプラーナとは違う)霊的なエネルギーが、この「光線」と呼ばれるものであり、そのエネルギー・タイプに7つの種類がある、ということなのです。

人類のほとんどが、通常の意識状態では魂とのわずかな接触もできていないという現状では、まずは瞑想等によって魂との接触を強めるということが当面の目標となるため、7種光線のタイプの特徴やその使い分けといった本格的なテクニックに関してはテキストでも触りしか語られていないため、連続講座でもこの最終回の前半で原理的な部分と個々の光線の特徴を簡単にご紹介する程度となります。

後半~最後のパートでは、テキストに書かれていた実践に活用できる情報をまとめ、12回まで積み上げてきた壮大なエネルギー宇宙論の理解に基づく究極的なヒーリングに関する大きな全体像を振り返えりながら対話する、まとめの時間となります。