膨大な秘教情報を征服するための第1段階として、5つのテキストに絞り込んだわけですが、実際に講座に参加されておらず秘教に馴染まれていない方には、これまでの話ではまだゴチャゴチャしていて、このスクール構想で目指している全体像が見えてこないところが多いと思いますので、それぞれの講座間の関係を、新たな切り口で整理したいと思います。

トランス・ヒマラヤ密教入門』は、アリス・ベイリー作品全体からの抜粋ですので、全体像を網羅的に学びつつ用語に親しむ、という基礎作りと、それによってお互いを関係づけしやすくなるという意味合いをもっていますが、それ以上は特に考える必要がないので、他の4つの作品に関して、それらの間の関係を見ていくことにします。

まず、アリス・ベイリーの作品を通じてなぜ「秘教」が伝えられたか、という意味で考えると、宇宙的なエネルギーが大きく変化している現在の時期、地球・人類全体を新たな時代に向けて好ましい方向に転換していくために必要な啓示的情報を流し、魂のレベルで働ける志ある人々を招集し、グループで協力して時代をリードしていく必要があったからだと考えられます。

それを最もストレートに表現した作品は、タイトルからしても『ホワイトマジック』と言えるでしょう。

そして、『秘教治療』~エソテリック・ヒーリングにしても、ある角度から見れば、医療・医学やヒーリング~教育の分野における「ホワイト・マジック」達成のためのテキストとも言えます。

ラージャ・ヨガの経典『ヨーガ・スートラ』のアクエリアス時代における解説書である『魂の光』に関しては、講座の案内文の中で、目標が私たちが努力すれば到達可能な現実的なところに降ろされている、と書きましたが、これは「ホワイトマジック」を実践し社会に奉仕したいという人材を育成するためのテキストになっている、ということでもあります。

また、『ホワイトマジック』が霊的な波動~情報を上から下へとどうやって歪めることなく降ろしていくかに焦点を当てているのに対し、『魂の光』はそれを純粋な形で実施できる人間を育て上げるために下から上に整えていく、という逆方向から語られています。

秘教治療』をテキストにしたエソテリック・ヒーリングは、先ほど書いたように「ホワイトマジック」の一分野とも言え、そこでは魂にしっかりとつながる瞑想の能力を獲得し、ヒーリング中にその状態を維持することが基本になっていますので、『魂の光』はやはりエソテリック・ヒーリングの実践を目指す人にとっても、ベーストレーニングにあたるテキストになっているのです。

したがって『魂の光』について整理しますと、『ホワイトマジック』『秘教治療』を実践する際の大前提となる瞑想を深め観照(サマーディ)に至ることに焦点を当て、日常生活からどうやって組み立てていくか、さらにはそれを活用してどうやって霊的進化に結びつけていくかが、システマティックに示されている、と言えます。

残る『秘教占星学』ですが、ここでは壮大な宇宙を流れる非常に高度なエネルギーについて語られています。他の3冊とは、扱われている空間領域とともに、エネルギーのレベルが違うとも言えます。

他の3冊は、私たち人間個人個人、すなわち小宇宙を流れるエネルギーが中心でしたが、『秘教占星学』ではその小宇宙を包含する大宇宙で流通している「神のレベル」とも言える非常に高度なエネルギーが扱われているのです。

それは、今の私たちにはコントロールすることはおろか、わずかでも吸収することすらできないエネルギーについて語られている話が大半なのです。

したがって、これまで他の3冊について書いてきたような、実践的活用はかなり難しいところが多いと思いますが、これまで2年間、悪戦苦闘しながらこのテキストに噛り付いてきた中で感じていることとして、具体的に明快な知識や理解として得られるところは少なくても、これを学びの一つに加えておくことによって、壮大な宇宙や神の世界に意識を向けることが習慣化し、それによって意識が拡大し、グループ意識といわれる全人類とつながった意識が少しずつ開かれてきているという、他では得がたい重要なメリットがあります。

すなわち、真に魂とつながりグループ意識をもつということは容易には達成できないことですが、『秘教占星学』を学び広大な宇宙に思いをはせることにより、潜在的なレベルで、魂とつながりグループ意識をもつための、したがってホワイトマジック・ワーカーになるためのとても良いトレーニングになっている、ということなのです。

以上は、実践的な観点からの活用を中心に話を進めてまいりましたが、本来一番重要で大きな目標である「エソテリック・サイエンス~エネルギー科学」の構築による新しい科学のパラダイムの確立、という視点に立った場合には、次のような関係が存在します。

秘教占星学』~『秘教治療』で記されている大宇宙~小宇宙に至るエネルギー・システムは、根本的骨格とも言えるものです。

その観点からすると、『ホワイトマジック』や『魂の光』は、小宇宙におけるエネルギー・システム理解のサポートになる、という位置づけとなります。

そういう意味で『秘教占星学』は、他に比べて一層難解なところが多いのですが、体系的な学習においては必須なものなので、専門家の方々の力を借りながら何とかチャレンジして、近未来のカリキュラムの1コマに位置づけたいと思っています。

以上、それぞれのテキスト~講座が様々な角度から密接に関係し合うように組み立てております。

どれ一つを取り上げて、単独で学んでいただいても、一般にはあまり論じられていない深淵で新鮮な情報が学べると思いますが、複数の講座を学んでいただくと、内容に対する理解と信頼が深まるとともに、情報のネットワーク化が飛躍的に進み、様々な現象に関する洞察や実践への広い応用も可能になってくることが期待できます。