「アンターカラナの科学」:『新しい時代の教育』より

「アンターカラナの科学」:『新しい時代の教育』より ~ アクエリアス特集 8 2018/10/10

アリス・ベイリーの作品中、

New Age という言葉が入っているのが2つあります。

 

1つが昨日紹介した、

“Discipleship in the New Age”(『新時代の弟子道』)

で、もう1つが、

“Education in the New Age” (『新しい時代の教育』)

です。

 

後者は、拙編著『未来を開く教育者たち』の中で、

シュタイナー・クリシュナムルティ・モンテッソーリなど、

他に神智学(協会)が関わった教育関係者の思想と並んで、

紹介しておりますので、

ご興味をおもちの方はぜひ、ご参照ください。

 

この作品の目次・章立てをご紹介しますと、

第一章 新しい教育目標

第二章 人類の文化的な開花

第三章 人類の知的発達における次の段階

第四章 個人の修養

第五章 アンターカラナの科学

となっています。

 

また、第三章の2つの項目は、

「現在の転換期」と「アクエリアス時代」です。

この「アクエリアス時代」の書き出しは、次のようなものです。

 

「今後百五十年間に行われる橋渡しの仕事の結果として、

人間家族に見られる様々な亀裂に橋を架け、

今はまだ細くではあるが内的人間の様々な様相を

外的形態と結びつけている、様々なエネルギーの糸を

一本のケーブルにするテクニックが大きな進歩を遂げるであろう。

 

その結果、世界中のあらゆる階級と国家に属する大勢の

知的な人々が、統合されたパーソナリティーになるであろう。

そのようになったとき、アンターカラナの科学が

彼らの訓練の計画的な一部になる。」

 

とあり、新しい時代の教育分野において、

今はまったく知られていない次の3つの科学が

徐々に支配的になるとされています。

 

1 アンターカラナの科学

2 瞑想の科学

3 奉仕の科学

 

「アンターカラナの建設と発達、

瞑想の科学を通して生活を統御し白魔術を行う能力の発達、

そして、グループ統御とグループ関係を促進し発達させる奉仕の科学

――これらが将来の心理学者と教育者を導く三つの基本的な科学である。

 

またこの三つの科学によって、

子供に対する親の態度や、意識の形成期にある

非常に幼い子供を訓練し教えるときに親が用いる方法は

根本的に変わるであろう。」

 

ということです。

さかんに出てくる「アンターカラナ」という言葉、

ご存知ない方が多いと思いますので、簡単に説明します。

 

秘教の説く「界層に基づく多重構造の人間」では

(『秘教治療』下巻第七章にもその説明が出てきますが)

 

メンタル界層に3つの要素、

1.低位具体マインド(メンタル体)

2.マインドの子(魂)

3.高位抽象マインド

があると言われています。

 

 

どんな人も、この3つの要素をもってはいるのですが、

その間に溝があって埋まっておらず、

連絡がとれていない状況なのです。

 

 

そのため私たちは、魂、あるいは

さらに真に「神」ともいえる要素をもってはいるのですが、

低位我であるパーソナリティーでは

その神性がまったく実現できていないわけです。

 

 

それを、まずは1と2、メンタル体と魂の間に橋をかけて

その溝を埋め、

次に2と3、魂と高位抽象マインドの間に橋をかけることによって、

もう一つの溝に橋渡しをするのが

、アンターカラナの建設です。

この科学の説明文は、以下の通りです。

 

「これは新しい真のマインドの科学である。

 

パーソナリティーと魂の間に、次に、魂と霊的トリアッドの間に

橋を建設するために、マインドはメンタル質料を使う。

 

これは、通常の人間の進化に関係する三界の質料よりも

精妙な質料を積極的に用いる仕事である。

それはメンタル界の高位三亜界の質料に関係する。

 

この象徴的な橋が構築されたとき、意識の流れが促進され、

意識の連続性、つまり途切れることのない認識の感覚が生じる。

 

その結果、やがて死に対する恐怖はなくなり、

あらゆる分離感が打ち消され、高位の霊的領域、

つまり神の御心(マインド)からもたらされる印象づけに対して、

肉体脳の意識で反応するようになる。

 

このようにして人は、創造主の様々な目的と様々な計画に

もっと容易に関与することができるようになるのである。」

 

続く「瞑想の科学」は、主にこの前半部の架橋のためのもので、

「それは主要な建設テクニックの一つであり、

やがて学校や大学において新しい教育方法の主流になるであろう」

と書かれています。

 

そして、実際にその流れがすでに始まっているとも感じられます。

 

「奉仕の科学」に関しては、

「他の二つの科学の適用に成功した結果、

当然のこととして自然に発展していくものである」とされています。

 

15年くらい前に、この3つを目にしたとき、

「こんなものが科学になるのか?」と違和感を感じたのを

覚えていますが、今は自然なものとして感じられるは、

多少進歩したと言えるのでしょうか?